主要7カ国首脳会議(G7サミット)が14日に採択した首脳声明で、「ジェンダー平等」の項目から人工妊娠中絶へのアクセスの支援を明記した文言が消えた。「安全で合法な中絶」が世界的な課題になるなか、女性の権利の後退ともとれる声明になった背景には何があるのか。
昨年5月に広島で開かれたG7サミットの首脳声明では、「安全で合法な中絶へのアクセス」に向けて、G7各国が取り組むことが約束された。今回、イタリア南部プーリア州で15日まで開かれたサミットでも、広島での公約を「あらためて表明する」と記されたが、「安全で合法な中絶」の言葉はなかった。
G7の首脳声明は、参加国の全会一致を原則としてまとめられる。欧州連合(EU)の高官は、女性自身が中絶を選ぶ権利を擁護する文言について、「広島で合意できた内容が、今回は合意できなかった」と漏らした。その理由について、別の欧州の外交関係者は、議長国のイタリアが「譲れない一線として『拒否権を発動』した」と明かした。
右翼政党「イタリアの同胞(…